「自己肯定感低めの人」のための本/山根洋士 #9

著者【山根洋士さん】の紹介
自己肯定感低めの人のための本を書かれた山根さん(@yamane_hiroshi)は、これまでに8,000人以上の悩みを解決してきた心理カウンセラー。
これまでの人生で様々な挫折や失敗を経験し、その中で心理療法と出会い人生が激変する。
「メンタルノイズ」という概念を提唱し、
心のクセや自己肯定感の低さに関する問題を解決するための方法を提供している。
はじめに 「自己肯定感低めの人」のための本
「あの人はポジティブでいいなぁ」
「あの人は気にしない性格で羨ましいなぁ」
自己肯定感が低い人は、自己肯定感の高い人を見て
『明るくてハキハキしていて、いつも元気な性格が羨ましい、、』
と一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
『自己肯定感が高い人になりたい!』と考える人は多いかもしれませんが、
実は、そもそも自己肯定感を高める必要ってないんです。

え?自己肯定感を高めることが、生きやすくなるための解決法ではないの?

実は、自己肯定感を高めるよりも【重要なこと】があるんです
今回は、その正体を探ってみましょう。
本書で書かれているのは「自己肯定感を高める方法」ではありません。
【自己肯定感が低くても悩まなくなる方法】です。
自己肯定感が高いだとか低いだとかはあまり重要ではなく、それよりも大切なことが紹介されています。
- 自己肯定感が低い
- 自分を責めてしまう/自己否定をしてしまう
- 自信がない
- 優柔不断
- 人間関係に気疲れする
など、自己肯定感が低い故に、メンタルが疲れやすい人
「自己肯定感低めの人」のための本の紹介
【自己肯定感】とは何なのか
まず【自己肯定感】とは、何なのでしょう。
自己肯定感とは「自分はありのままでいい、生きているだけで価値がある、という感覚」のことです。
自信があるとか、自尊心が高いとか、ポジティブだとかいったことは実は関係ありません。
例えば自信がなかったり、ネガティブだったりしても「自分はありのままでいい」という感覚があれば、自己肯定感は低くならないですよね。
山根洋士「自己肯定感低めの人」のための本,アスコム,2020年10月,12ページ
「自己肯定感は高くなくていい」それよりも大切なこと
本書では「自己肯定感は高くなくていい」と説明されていて、それよりも【大切なこと】があるようです。
それは、【自己納得感を得ること】
自分のいい部分もダメな部分も全てひっくるめて、「自分はこのままでいいんだ」と思えることが大切なんだそうです。
本書でのキーワード:心のクセ=心のノイズ
【心のノイズ】という言葉が、重要なキーワードになっています。
心のノイズとは「心のクセ」のことで、
あなたが生まれてから現在に至るまでに体験した記憶や経験の蓄積のことを表します。
あなたの心のクセ=心のノイズは、あなたが育ってきた環境が大きく影響していて、
潜在意識(本人が自覚していない意識)の中にあるそうです。
そのため、無意識の内に心の声としてあなたの中に浮かび上がってきてしまう。
なので、この無意識に浮かび上がってくる心の声に『気づけるかどうかが重要』となってきます。
心のノイズはどう作られるのか
「心のノイズ」はどう作られるのかというと、6歳までの幼少期に培われてしまうらしいです。
育った環境や親の影響を受けてあなたの人格は形成されます。
例えば、、
親がお大金持ちで、家賃収入や株式投資などで上手にお金を増やしていたら、子どもは、お金儲けは楽勝だと感じやすいでしょう。
そんな環境で育つと「お金は案外、らくに稼げるもの」とか「効率よく稼いで暮らすのが幸せ」という感覚になりそうです。逆に、親が寝る間も惜しんで毎日クタクタになるまで働いて、ようやく生活費を稼ぐような姿を見てきたら、どうでしょうか。
山根洋士「自己肯定感低めの人」のための本,アスコム,2020年10月,45ページ
そんな環境で育つと「お金は苦労して稼ぐもの」とか「慎ましくとも仕事があれば幸せ」なんていう感覚になりそうですね。
こういった子どもの時に刷り込まれた感覚が、大人になってもずっと、人生に影響を与え続けます。
目次
第1章:自己肯定感が低い原因はメンタルノイズ
第2章:あなたのノイズはどれ?14タイプのノイズ診断
第3章:日常で発動するノイズに気づく「裏表思考」
第4章:1分でできる!ノイズに邪魔されない心をつくる 10の「ノイキャン」エクササイズ
第5章:メンタルノイズを手放せば誰でも幸せになれる
心のノイズを手放す方法
本の前半では、よくある悩みに隠れた【心のノイズ14種類】が紹介(7個抜粋)されています。
- 自信がない、自分にはできないと思ってしまう
- つい人と比べて凹んでしまう
- 言いたいことが言えない
- 頑張っているのに報われない
- 人付き合いが苦手
- うまく人に頼れない、気を遣いすぎて疲れる
- いいことが続くと怖くなる、心から安心できない
後半では、【心のノイズを手放すためのエクササイズが10個】紹介されています。
心のノイズに対して様々な解決法が紹介されていますが、
まずは「自分にはこんなノイズがあったんだ!」と気付くだけでも心は楽になると言います。
そして、今まで自分を苦しめてきたノイズとずっと付き合っていく必要はなくて、
「自分にはこんなノイズがあったんだ!」と気づいたら、
「これからは手放すことも出来るようになる」のです。
【心のノイズを手放すエクササイズ】も習得していきましょう。
「自己肯定感低めの人」のための本のまとめ
本書では、「自己肯定感を高める方法」ではなく、
【自己肯定感が低くても悩まなくなる方法】が紹介されていました。
自己肯定感が低くなってしまうのは、あなたの心の中にいる『ノイズ(=心のクセ)』のせい。
このノイズは、あなたが育つ環境の影響が大きく、
だいたい6歳までに作り上げられて、その後の人生においても影響し続ける。
そんな「心のノイズ」にはどういった種類があるのか、また、
ノイズに振り回されないためのエクササイズが紹介されていました。
心のノイズに気づけるようになることで、自分の本心を知ることが出来る。
そして、心のノイズに気がつくだけでも心は軽くなり生きやすくなることがわかりました。
